今回のブログは、 志木クラニオ・カイロプラクティック整体院 勝畑 学先生
の記事を引用しています。
今日は趣向を変えて、栄養学的な検知から日本人(昔の日本人)というものを考察してみたいと思います。
現代の日本人は、戦国時代~江戸時代~明治~大正に比較してかなり身長や体重も増加し、西洋人と比しても劣らないような体型の人達も増えているようです。
昔の日本人は栄養的にもろくな物も食せず、貧弱な体をしていた・・・というような認識を持っておられる方も多いと思うのですが、実際はどうだったのでしょうか?
現代日本人は明治以降の西洋文明流入による恩恵ばかりなのでしょうか?
おもしろいことに明治期までの日本人が、現代日本人と比べ、とてつもない体力を持っていたらしい・・・ということは、当時日本を訪れた外国人の残した多くの文献に記されています。
まずは、幕末から明治にかけて日本が「殖産興業」を目的に先進技術や学問・制度を輸入するために雇用した、いわゆる「お雇い外国人」の一人だったドイツ医師・ベルツの手による「ベルツの日記」から引用してみたいと思います。
彼はライプツィヒ大学で内科学を修めた後、27歳の時に明治政府によって招聘され、以後約30年間日本に滞在するのですが、ある日、彼が東京から110キロ離れた日光に旅行をした時のこと、当時でも道中、馬を6回も乗り替え、14時間かけやっと辿り着いたそうです。
しかし、再度日光に行く用事が発生し、今度は馬ではなく人力車を使ったそうなのですが、なんと前回よりたった30分余分にかかった(14時間半)だけで着いてしまったそうです。
しかもその間は一人の車夫が交替なしに車を引き続けたのだそうです。
普通に考えれば、人間より馬の方が体力があるし格段に速いはずです。
この車夫の体力はいったいどこから来るのか?
ベルツは驚いて車夫にその食事を確認したところ、玄米のおにぎりと梅干し、味噌大根の千切りと沢庵」という答えだったそうです。
聞けば平素の食事も、米・麦・粟・じゃがいもなどの典型的な低タンパク・低脂肪食とのこと、もちろん肉など全く食べてません。
ドイツ人のベルツからみれば相当の粗食だったようです。
そこでベルツは、この車夫にドイツの進んだ栄養学を適用すればきっとより一層の力が出るだろうと考え、ついでながらその成果を比較検証してみたいと思い立ち、次のような実験を試みたそうです。
22歳と25歳の車夫を2人雇い、1人には従来通りの玄米おにぎりの食事、他の1人には肉を中心とした西洋風の食事を摂らせて、毎日80kgの荷物を積み、40キロメートルの道のりを走らせました。
するとおもしろいことに、肉料理を与えた車夫は疲労が次第に募って走れなくなり、3日目で「どうか普段の食事に戻してほしい」と懇願するようになってしまったそうです。
そこで仕方なく元の食事に戻したところ、また走れるようになったそうです。
一方、玄米おにぎりの車夫はそのまま3週間も走り続けることができとのことです。
上記のような例は枚挙に暇がなく、フランシスコ・ザビエルの記録や、大森貝塚の発見者エドワード・モースの文献にも多々見られます。
是非、皆さんも調べられてみてください。
『昔の日本人』『凄い体力』などのキーワードでいくらでも検索できます。
上記ベルツの実験についても、もっと詳しく出てきます。
ちなみに上記の結果がありながらも(当時の明治政府は世界を植民地化する白人が世界最強と捉えた)、明治政府は日本人の西洋人化(体を大きくすること)を目指し、ヨーロッパの栄養学的知見を大いに取り入れて言ったそうです。
日本は古くから文化や物資の大部分を海外から輸入し続けてきました。
それ故、外から来るものが皆、素晴らしい的な発想があらゆる方面に蔓延してます。
もちろん体力的に全ての階層の人が同様だったとは言えませんが、粗食から充分な栄養を摂取できた(一般人も多くは一日一食か二食が普通でした)かつての日本人というものを見直してみてもいいのではないでしょうか?