前回からスタートした『柏で一番わかりやすい東洋医学』シリーズの第2回。
前回は、人体における『気』というのは、目に見えないエネルギーというより、大気中の酸素(清気)や、食べ物から取りこむカロリー(水穀の精微)や、両親から受け継ぐ遺伝子(先天の精)というわかりやすい分子的なエネルギーであるということを解説しました。
柏で一番わかりやすい東洋医学《第1回》・・・『気(き)って何?』
今日は東洋医学における『気の種類と働き』を解説します。
東洋医学を学ぶコツは、西洋医学のように論理的に原因を突き詰めていくというより、自分自身の体験や経験的なものと照らし合わせて、ぼんやりゆる~くイメージしていく方がわかりやすいと思います。
ということで、今日は『気の種類と働き』
大気中の酸素(清気)や、食べ物から取りこむカロリー(水穀の精微)や、両親から受け継ぐ遺伝子(先天の精)を元に作られた気=生命活動のエネルギー源が、どのように生成されて、身体のどの部分で活動して、どのような働きと機能があるのかを解説します。
気の種類は大きく大別すると、原気(元気、げんき)、宗気(そうき)、営気(えいき)、衛気(えき)の4種類に大別されます。
原気
両親から受け継いだ遺伝子(先天の精)に、食べ物や大気中の酸素(清気、水穀の精微=後天の精)が注がれて生成される。
いわゆる元気で生命活動の原動力になる気。
元気が旺盛ならば内臓の働きもよく、病気にかかりにくい。
自然治癒力や先天的治癒力、カイロプラクティックではイネイトインテリジェンスと呼ばれる。
「元気があればなんでもできる!」・・・byアントニオ猪木
腎(丹田・・・おへその下)で発生し経絡という通り道を介して全身を巡る。
宗気
肺に吸入された大気中の酸素(清気)と食べ物から取りこんだエネルギー(水穀の気)が結合して生成される。
肺の呼吸作用と心臓の血液を循環させるいわゆる心肺機能をつかさどるエネルギーとなる。
活動部位は心肺機能の部位なので胸の中央部。
営気
食べ物(水穀の精微)から作られる身体の深部のエネルギー(陰性の気=水穀の精気)と大気中の酸素(清気)で生成される。
体液(津液)を血液(血)に変えて全身を循環し、内臓や内外の全身器官の栄養を補給する。
血液(血)なので、血管中(血脈中)を流れるエネルギー。
衛気
食べ物(水穀の精微)から作られる体表部のエネルギー(陽性の気=水穀の悍気)と大気中の酸素(清気)で生成される。
自然界の気候やウィルスや最近など人体外部からの病因(外邪)の侵入から身体を保護したり、汗腺を開閉して体温調節をしたりする。
体表近くの血管外(脈外)で活動する。いわゆる皮膚のバリアー機構であったり、体表部で防御する衛兵のようなエネルギー。
以上、4種類に大別される『気の種類と働き』でした。
東洋医学用語は赤字にしていますが、なんとな~く「こんな種類があるんだなぁ。」くらいに覚えておくと徐々に理解できると思います。
次回は『気がもつ5つの作用』を解説いたします!