『柏で一番わかりやすい東洋医学シリーズ』の第3回。
前回は、腎(丹田・・・おへその下)から発生する原気(元気、げんき)、胸の中央部で活動する宗気(そうき)、血脈(血管内)で活動する営気(えいき)、体表近くで活動する衛気(えき)の4種類の気と働きについて解説しました。
柏で一番わかりやすい東洋医学《第2回》・・・『気の種類と働き』
今回は、これらの4種類の気がもつ生理的な『推動作用、温煦作用、防御作用、固摂作用、気化作用』の5つの作用について解説していきます。
推動(すいどう)作用
体液(血や津液)の流れや循環を促進する作用。この推動作用によって、臓器や経絡が働いたり、身長が伸びる発育や成長などの働いたりする。
温煦(おんく)作用
身体を温める作用。この温煦作用により体温を一定に保てる。臓腑、経絡、血や津液などは温煦作用により円滑に機能する。
防御作用
身体の表面、つまり皮膚を保護し、自然界の気候やウィルスや最近など人体外部からの病因(外邪)の侵入を防ぐ。人体に病因が侵入した場合は、これに抵抗し駆除する。
固摂(こせつ)作用
汗や尿などの排泄が多すぎる。出血や精液の流出など、体液の不要な漏れ(漏出)を防ぐ作用。
気化作用
気から血、血から精など、気、血、津液、精の間の転化(変化)のこと。また汗や尿、排泄物の生成など、物質の変化も気化作用による。
ちょっと専門的な東洋医学用語も書いていきましたが、動かしたり、温めたり、守ったり、固めたり、変化させたりなど、これは電気などの電力エネルギーと同じ作用ですね!
電気も『気』と書きますが、気も電力と同じようなエネルギーと捉えるとイメージしやすいんじゃないかと思います。
次回は、東洋医学において生命活動を維持するための物質『気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)』の『血(けつ)』に移って、『血(けつ)』を解説していきます。