2024年4月 月 火 水 木 金 土 日 « 3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
『柏で一番わかりやすい東洋医学シリーズ』の第3回。
前回は、腎(丹田・・・おへその下)から発生する原気(元気、げんき)、胸の中央部で活動する宗気(そうき)、血脈(血管内)で活動する営気(えいき)、体表近くで活動する衛気(えき)の4種類の気と働きについて解説しました。
柏で一番わかりやすい東洋医学《第2回》・・・『気の種類と働き』
今回は、これらの4種類の気がもつ生理的な『推動作用、温煦作用、防御作用、固摂作用、気化作用』の5つの作用について解説していきます。
推動(すいどう)作用
体液(血や津液)の流れや循環を促進する作用。この推動作用によって、臓器や経絡が働いたり、身長が伸びる発育や成長などの働いたりする。
温煦(おんく)作用
身体を温める作用。この温煦作用により体温を一定に保てる。臓腑、経絡、血や津液などは温煦作用により円滑に機能する。
防御作用
身体の表面、つまり皮膚を保護し、自然界の気候やウィルスや最近など人体外部からの病因(外邪)の侵入を防ぐ。人体に病因が侵入した場合は、これに抵抗し駆除する。
固摂(こせつ)作用
汗や尿などの排泄が多すぎる。出血や精液の流出など、体液の不要な漏れ(漏出)を防ぐ作用。
気化作用
気から血、血から精など、気、血、津液、精の間の転化(変化)のこと。また汗や尿、排泄物の生成など、物質の変化も気化作用による。
ちょっと専門的な東洋医学用語も書いていきましたが、動かしたり、温めたり、守ったり、固めたり、変化させたりなど、これは電気などの電力エネルギーと同じ作用ですね!
電気も『気』と書きますが、気も電力と同じようなエネルギーと捉えるとイメージしやすいんじゃないかと思います。
次回は、東洋医学において生命活動を維持するための物質『気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)』の『血(けつ)』に移って、『血(けつ)』を解説していきます。
2016年も残すところ、あと数日となりました。
昨日は、午後から東京大学医学部付属病院リハビリテーション部物理療法(鍼灸あん摩マッサージ)部門責任者であり、国際鍼灸専門学校では非常勤講師として、あん摩実技の授業を教えてくださっているK先生のご厚意によって、東京大学医学部付属病院リハビリテーション科・部の施設見学をさせていただきました。
東大病院では、一人の患者様に対して、一人の医師(臨床家)が治療や健康管理のすべてを実践していくことは困難であるという現状認識から、多職種によるチーム医療で情報交換を行い、より患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させる動きが盛んになっています。
その動きの中で、東洋医学的治療手段が選択されるのもその1つで、「西洋医学と東洋医学の融合」また「代替・保管医療」など医療の中では鍼灸治療に対する認識も徐々に変わりつつあります。
東大病院において鍼灸治療は、
①予防医療として、
②現状の治療に限界がある場合、
③薬物療法との併用で相乗効果を目指す、
など、多種多様な疾患・症状に対応することが可能で、真の補完・代替療法として重要な治療選択と位置付けられているとのことです。
ひとつの例を挙げると、リハビリ部鍼灸部門では女性診療部門の専属で鍼灸治療を行っており、女性特有の疾患である更年期障害や不妊症、月経困難症等に対して専門医と共同で臨床と研究活動を行い、鍼灸部門が各専門分野で専門医と共同で臨床医療を行っているとのことでした。
最近では、日本社会全体が高齢化社会という問題に直面しているのもあって、厚生労働省が主体となって、高齢者の方が重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・ 医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。
東大病院リハビリテーション部鍼灸部門の取り組みは、鍼灸やカイロプラクティックなどの代替療法が地域社会や地域医療とどのように関わっていくべきか、未来に向けてあるべき姿を示している取り組みだと感銘を受けました。
私も鍼灸あん摩マッサージ指圧師の国家資格取得まであと1年強。
地域社会や地域医療に貢献できる代替療法家を目指して、当院に来院されるクライアント様への施術も、鍼灸あん摩マッサージ指圧師国家試験に向けての勉強も頑張っていこうと気が引き締まった東大病院施設見学でした!
前回からスタートした『柏で一番わかりやすい東洋医学』シリーズの第2回。
前回は、人体における『気』というのは、目に見えないエネルギーというより、大気中の酸素(清気)や、食べ物から取りこむカロリー(水穀の精微)や、両親から受け継ぐ遺伝子(先天の精)というわかりやすい分子的なエネルギーであるということを解説しました。
柏で一番わかりやすい東洋医学《第1回》・・・『気(き)って何?』
今日は東洋医学における『気の種類と働き』を解説します。
東洋医学を学ぶコツは、西洋医学のように論理的に原因を突き詰めていくというより、自分自身の体験や経験的なものと照らし合わせて、ぼんやりゆる~くイメージしていく方がわかりやすいと思います。
ということで、今日は『気の種類と働き』
大気中の酸素(清気)や、食べ物から取りこむカロリー(水穀の精微)や、両親から受け継ぐ遺伝子(先天の精)を元に作られた気=生命活動のエネルギー源が、どのように生成されて、身体のどの部分で活動して、どのような働きと機能があるのかを解説します。
気の種類は大きく大別すると、原気(元気、げんき)、宗気(そうき)、営気(えいき)、衛気(えき)の4種類に大別されます。
原気
両親から受け継いだ遺伝子(先天の精)に、食べ物や大気中の酸素(清気、水穀の精微=後天の精)が注がれて生成される。
いわゆる元気で生命活動の原動力になる気。
元気が旺盛ならば内臓の働きもよく、病気にかかりにくい。
自然治癒力や先天的治癒力、カイロプラクティックではイネイトインテリジェンスと呼ばれる。
「元気があればなんでもできる!」・・・byアントニオ猪木
腎(丹田・・・おへその下)で発生し経絡という通り道を介して全身を巡る。
宗気
肺に吸入された大気中の酸素(清気)と食べ物から取りこんだエネルギー(水穀の気)が結合して生成される。
肺の呼吸作用と心臓の血液を循環させるいわゆる心肺機能をつかさどるエネルギーとなる。
活動部位は心肺機能の部位なので胸の中央部。
営気
食べ物(水穀の精微)から作られる身体の深部のエネルギー(陰性の気=水穀の精気)と大気中の酸素(清気)で生成される。
体液(津液)を血液(血)に変えて全身を循環し、内臓や内外の全身器官の栄養を補給する。
血液(血)なので、血管中(血脈中)を流れるエネルギー。
衛気
食べ物(水穀の精微)から作られる体表部のエネルギー(陽性の気=水穀の悍気)と大気中の酸素(清気)で生成される。
自然界の気候やウィルスや最近など人体外部からの病因(外邪)の侵入から身体を保護したり、汗腺を開閉して体温調節をしたりする。
体表近くの血管外(脈外)で活動する。いわゆる皮膚のバリアー機構であったり、体表部で防御する衛兵のようなエネルギー。
以上、4種類に大別される『気の種類と働き』でした。
東洋医学用語は赤字にしていますが、なんとな~く「こんな種類があるんだなぁ。」くらいに覚えておくと徐々に理解できると思います。
次回は『気がもつ5つの作用』を解説いたします!